「インド人の笑顔」

まさにこの表情で、自分の人生が変わるとは思ってもみませんでした。

 現在の鍼灸の道に入るきっかけになったのは、以前立ち寄ったインド・
カルカッタでのできごとです。クリスチャンではなかったのですが・・・                    


「あのマザーテレサのパワーの”みなもと”を肌で感じたい」

これがカルカッタに行った理由でした。





そもそもはインド行きが目的ではありませんでした。
それまでの概略はこうです。


・・・・ はたちより以前はきわめてのほほんと過ごしていました。
いわゆる年頃の時代にも反抗期らしい反抗期がなかったので、
そのしわ寄せや挫折の類は20代前半に軒並み集中しました。
前髪が薄くなってきたのもその頃です。(爆笑)

 大学を出て入った会社ではエコロジー関係の商品企画開発を
担当していました。
仕事的にはおもしろかったし、恵まれていたと思います。

大きな不満はなかったのですが、ある時、いろいろあって無性に
もがきたくなってしまいました。
会社勤務のかたわら、近くの農家や福祉施設で農業、養鶏など
習いました。

その後、青年海外協力隊活動に参加。
インド洋のモルディヴ共和国に行きました。

マーフィラフシ島という当時移住プロジェクトで4家族しか住んでいなかった
島での生活・活動が始まりました。

結局3年間滞在。

村落開発普及員という立場で家庭菜園・養鶏のお手伝いをしたり、
海草養殖など現金副収入源の調査などして任期が終わりました。


インドに寄ったのはその帰国途上でした。





とりあえず安宿に泊まり、修道会の中心であるマザーハウスに飛び込みました。
世界的な偉人でしたし、会えないかなあと思っていましたが、2階を指さされ、
いとも簡単に会うことができました。





「思ったより小柄で、かわいい感じ」がその時の印象です。

それから2週間ほど「死を待つひとの家」と呼ばれる施設で活動しました。
行き倒れになったひとなどの食事や水浴の介助、時には死体の運搬など
して過ごしました。















 滞在中ある時、カルカッタの街中を歩いていると、ふと目にはいった見知らぬインド人
が自分にニコニコ手を振っています。

「はて何だろう?」
としばらくぼーっとしていましたが、よーく見ていると「はっ」としました。

彼は「施設を出て元気になったひと」だったのです。

私の方は忘れていましたが、彼は自分のことを覚えてくれていました。
ものすごいショックと同時に、なんとも今まで体験したことのないような高揚感というか
シアワセ感にどーんと包まれました。

「この感覚が味わえるなら他はなにもいらないかもしれない」
そんな風に思えました。






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